旬のお魚かわら版
No.18 イサキ
2021.05.31旬のお魚かわら版 No.18(2021年5月31日)
今回は、初夏から夏にかけて旬を迎えるイサキです。
魚を良く食べるという人は、年間で丁度今頃の時期に食べていると思います。
上の2枚の写真はいずれもイサキで、左が成魚で、右は若齢魚です。若齢魚の方は黄色の縦じまが目立つので分かりやすく、またその姿から「ウリボウ」(イノシシの子ども)とも呼ばれます。どちらも街の魚屋さんで売っているので、今度機会があったら是非比べてみてください。
イサキは青魚に比べるとかなり長生きの魚類で、雄は20年以上、雌は20年近くとされています。イサキは北海道には分布しておらず、太平洋側では宮城県以南、日本海では新潟県以南の沿岸域で生活しています。下図にもあるように、関東では5番目の千葉県のほかは九州の県主体に西の県が多いのが分かりますね!この図は2019年のデータですが、年間で3059tの漁獲で、1000t以上漁獲する県は長崎県で1002tでした。
普通、1本釣り、定置網で漁獲されますが、地域によっては刺し網や底曳網でも漁獲されます。イサキは磯釣りの愛好家には羨望の的の魚類の1つでもあります。
トビウオやスズキなど夏の旬魚はさっぱりとした味わいのものが多いですが、イサキは脂肪量が多いのが特徴です。先日近所の魚屋さんでも並んで販売されていましたが、立派なお腹をしていました。なお、夏の魚でも脂肪量が多いタチウオを始めアナゴ、ウナギ、ハモなどは細長い形が目立ちますがイサキはその中では少し異質の存在です。
今町の魚屋さんではサイズにもよりますが、1匹400円くらいでしょうか?6月の食育セミナーでは、イサキを使うことになりますが、どんな料理が出来上がるでしょうか。
先日打ち合わせをした際、イサキに合う料理として、大分の郷土料理「りゅうきゅう」の話が出ました。醤油、酒、みりん、ゴマを使った、いとも簡単な料理です。刺身が余った時や、味を変えたいときなど、白身魚、赤身魚どちらでも合うので是非チャレンジしてみてください。
なお、イサキは漢字で伊佐木と書き、居酒屋では伊先と書いている場合もあります。普通はどんな魚にも魚偏のつく漢字がありますが、イサキにはなく、これも珍しい魚と言えるのではないでしょうか。
旬のお魚かわら版
「豊海おさかなミュージアム」は、海・魚・水産・食をテーマとして、それに関連する様々な情報を発信することを目的としています。 このブログでは、名誉館長の石井が、旬のおさかな情報を月2回発信していきます!