旬のお魚かわら版

No.6 サバ缶

2020.11.30

旬のお魚かわら版 No.6(2020年11月30日)


今回取り上げるのは前回に引き続き「サバ」です。その中の「サバ缶」についてご紹介します。

サバの缶詰

上の写真は、全国の水産高校の生徒が実習で製造したサバの缶詰です。

 サバ缶といえば、数年前に大ブームとなり、スーパーの棚から、サバ缶、特に水煮缶が無くなることがしばしばありました。現在もブームは続き、人気が定着したといってよいと思います。
 下の図は、日本の水産缶詰上位5位の生産量の推移を表わしています。

日本の水産缶詰上位5位の生産量の推移
出典:(公社)日本缶詰びん詰レトルト食品協会

 この10年、サバ缶がトップの座を維持していますが、特にサバ缶がブームになった2016年頃から生産量が急増していますね!
 この少し前からサバがメディアに取り上げられたのがきっかけで人気が高まりましたが、生産量はそれ以降、他の魚の缶詰との差が大きくなっています。ただ、原料となる国産サバの漁獲量がやや落ちてきていることもあり、サバ缶の生産量も2018年をピークに少し低下しています。
 ブームを背景にサバ缶の生産地や価格も多様化しています。国産サバを国内で製造した商品の中には高価格のものがある一方で、国産サバを製造コストの安い東南アジア諸国に輸出して現地で製造した低価格商品も増えています。


 さて、なぜサバ缶の人気はここまで高まっているのでしょうか?
 サバ缶のブーム当時は健康効果が注目され、「EPA,DHAが多く含まれている」、「ダイエットに効果的」と謳われていました。
 同じく世間でブームとなった糖質制限では、主に低糖質な食材が注目されるようになりました。サバの水煮缶もその一つで、DHA・EPAなどの栄養素に加え、高たんぱく・低糖質という点が非常に人気を集めました。


 調理の手間もなく、健康につながる効果が期待できることが、世間で大受けした理由となったのかもしれませんね。

次回は12月15日頃更新予定です。お楽しみに!

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