旬のお魚かわら版

No.1  サンマ

2020.09.15

旬のお魚かわら版 No.1(2020年9月15日)


 こんにちは、「豊海おさかなミュージアム」館長の石井です。
 「豊海おさかなミュージアム」は、海・魚・水産・食をテーマとして、それに関連する様々な情報を発信することを目的としています。
 当ミュージアムはかつて築地市場に隣接し、今は豊洲市場にも近い、海や運河にも面した中央区豊海地区にあります。周辺には冷凍冷蔵庫や水産関連団体が集結しています。その中で食育セミナーをはじめ、様々な活動を通して、「豊海にミュージアム有り」を訴え続けていきたいと思います。
 コロナ禍の中で、皆さんも色々不便を感じたり、日常生活も様変わりしたと思いますが、この便りでは今の状況の中で出来うることを試行錯誤しながら、今後原則月2回(隔週)発行する予定にしています。
 最後に新型コロナウィルス感染症の影響で、魚も苦戦しています。皆さんには何よりも魚を食べていただきたいし、魚を食べることが、今の状況を克服することにつながります。


 今回は、いよいよ旬を迎えたといいたいところですが、絶不調のサンマを取りあげます。
 本来であれば、今がちょうど旬で、普通の漁模様であればそろそろ買いやすい価格帯に落ち着いてくる頃です。すでに、皆さんもご存じかと思いますが、メディア等でも取りあげられているようにこの時期になっても漁が芳しくないのです。

サンマ漁船
出典:「北海道の漁業図鑑」(北海道水産業改良普及職員協議会)

サンマは写真のような棒受け網という漁法で99%漁獲しています。サンマは、光に集まる習性があります。サンマ漁船は集魚灯でサンマをおびき寄せ、集まったところに網を入れて一気に漁獲します。

 近年は漁獲がこれまでの最低水準にまで落ち込んでいるのですが、今年もご多分に漏れず低調です。
 この10年位は漁場が遠いことも特徴で、漁船にとっては燃料代もかかります。せっかく出漁しても大漁にならなければ、高い代償を払わなければなりません。
 外国船の操業も行われていて、昨年はどの国も不振だったといわれています。今年の漁も日本船が漁場を発見すればその後に台湾船が集まってきたり、中国船はその外側で待機していたり、漁場を見つけるのも大変です。
 9月上旬後半になっても一向に漁は上向いていません。国の予報などでも好転するのは10月以降と発表されています。
 漁模様がまだ本格的になっていないので、価格も本来のサンマのイメージからすると少し高いでしょう。

 もう少し、漁場が日本の沿岸寄りに出来るようになれば落ち着くとは思うのですが!
 豊洲市場の卸売価格は、9月14日で新物(1本120gサイズ)が1kg当たり1,800円でした。ちなみに150gサイズは4,000~3,800円です。
 今回は旬のサンマでした。お店でサンマが手に入りましたら、塩焼きで美味しく食べてくださいね!

旬のお魚かわら版

旬のお魚かわら版

「豊海おさかなミュージアム」は、海・魚・水産・食をテーマとして、それに関連する様々な情報を発信することを目的としています。 このブログでは、名誉館長の石井が、旬のおさかな情報を月2回発信していきます!