Web版 解説ノート

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2022年2月21日(月)更新

日本各地で増える高級ブランドサバ。

2022年2月21日(月)更新

それは「関さば」から始まった

日本各地にはさまざまなブランドサバがあります。大きく分けると、マサバ、ゴマサバ、養殖マサバで、そのほとんどは生食が可能です。

ブランドサバの代表格といえば、大分県の「関さば」。佐賀関沖の豊予海峡で大分県漁業協同組合佐賀関支店の組合員が一本釣りで獲ったマサバです。

鯖の写真

ブランド化されたのは1980年代後半。豊予海峡は「速吸(はやすい)の瀬戸」ともよばれ、潮流が速いことで知られています。餌となるプランクトンも多く、ほどよく太り、身が引き締まっています。

関さばの特徴のひとつは「瀬つきのサバ」であることです。基本的にサバは餌を求めて海を回遊するのに対し、「関さば」は大きくなってから瀬に居ついた「瀬付き魚」。地元では刺身で食べるのが一番とされていました。

一本釣りという漁法に加え、興奮しているサバを生簀に入れ落ち着かせることでストレスを減らし、出荷時には一匹一匹、脊髄から神経を抜く「神経締め」をして鮮度を保つなど、徹底した品質管理で質を向上させ、首都圏への流通拡大に取り組みました。

関東以北ではサバを生で食べる習慣がなかったため、首都圏進出は当初、苦労しましたが、その味わいを知った人々は絶賛。有名店での取り扱いも増え、1尾2000円以上する高級魚となったのです。

大衆魚がブランド化で高級魚に

「関さば」に続け、とサバのブランド化を目指す産地が増えました。

お手頃価格の大衆魚・サバも刺身用となると高級魚に変身します。まき網漁で漁獲された一般的なサバは、市場で比較的安値で取引され、スーパーマーケットなどに並びます。一方、刺身用のサバは主に一本釣りなので質がよく、数が少ないために高値で取引され、寿司店や料亭割烹などに卸されます。

この刺身用の需要を狙ったのがサバの養殖です。その先駆けともいえるのが2002年に登場した「ひむか本サバ」。以降、次々と養殖ブランドサバが登場しています。

ブランドサバにはひとつひとつ、産地ならでは、生産者ならではのこだわりが生み出した味わいがあります。ぜひ食べ比べてみてください。

食通をうならせる主なブランドサバ

では、代表的なブランドサバを紹介しましょう。

全国の主要なブランド鯖マップの画像

北釧鯖(ほくせんさば)
道東で漁獲され、釧路副港に水揚げされたマサバ&ゴマサバ。昭和50年代以降は全く獲れなくなっていたが水揚げが回復し、平成19年より釧路水産協会を中心とした水産業界でブランド化。旬は9~12月。

八戸前沖さば
「八戸前沖さばブランド推進協議会」が認定した期間に、三陸沖以北の近海で漁獲し、八戸港に水揚げされたマサバ&ゴマサバ。認定する漁獲期間は協議会が毎年判断して決定。旬は9~12月。

金華さば
宮城県金華山沖で獲れたマサバのなかから、石巻魚市場を中心とする「金華ものブランド化事業推進委員会」が定めた鮮度、脂のり、サイズなどのブランド基準をクリアしたサバ。旬は9~1月。

極上さば
銚子漁港に水揚げされたサバの中から、全体の1%しかない700g以上という大型サバだけに認定される。「銚子うめぇもん研究会」秘伝の熟成タレを用いて、刺身をはじめとする料理で楽しめる。旬は11~1月。

松輪サバ
東京湾三浦半島南部の松輪瀬で獲られ三浦市松輪漁港で水揚げされるマサバ。一本釣りで、人の手に触れることなく出荷直前まで生かし、鮮度保持されている。旬は8月末~9月半ば。

関さば
豊予海峡の瀬つきのマサバを一本釣りしたもの。水揚げ後は生簀で落ち着かせ、販売時には手で触って計量せず生簀の上から魚体を見て大きさや重さを判断して取引する「面(つら)買い」を行い、さらに買い付けた業者は活け締めで出荷をするという、徹底した品質維持がなされている。旬は10~3月。

旬(とき)さば
長崎県五島海域から対馬海峡で、10月から翌年2月に大中型まき網漁で漁獲した1尾400g以上のマサバ。全国有数のサバ水揚げ高を誇る松浦市・松浦魚市場に水揚げされる。

玄さば
佐賀県唐津「シーボーン昭徳」の船団が長崎県五島・対馬で漁獲したマサバ。1年に2週間ほどしかない「旬のなかの旬」とされる期間に水揚げされたもののなかから、同社の「玄人」が認めたサバをブランド化。

首折れサバ
東シナ海あたりで漁獲され、鹿児島県屋久島で水揚げされるゴマサバ。漁は一本釣りで、主に島北部の一湊漁港で水揚げされる。鮮度を保つために漁獲後すぐに首を折って血を抜くことから付いた名称。旬は9~11月。

土佐の清水さば
高知県足摺付近の瀬付きのゴマサバを「立縄漁法」によって釣り上げ、清水漁港に活魚で水揚げしたもの。水揚げ後は直ちに高知県漁協清水統括支所の職員が活魚水槽に移し替え、鮮度保持を図る。旬は12~3月。

ぼうぜ鯖
姫路市家島町坊勢島の4業者による養殖サバ。播磨灘へ回遊してきた小サバをまき網船団が漁獲し、大型の海上生簀で養殖。イワシやイカナゴなど天然の魚を餌に育つ。地元では「しゃぶしゃぶ」も人気。旬は11~5月。

お嬢サバ
鳥取県岩美町で、陸上養殖されたマサバ。飼育用と出荷用の水槽計13基を整備。7本の井戸で地下10mから海水をくみ上げているため、アニサキスなどの心配がない。

唐津Qサバ
唐津市と九州大学の共同研究によって開発された完全養殖のマサバ。年間平均の脂質含量量を20%以上にしている。呼子・鎮西旅館組合では「サバ活」と銘打ち、唐津Qサバの活き造りを提供中。

ひむか本サバ
宮崎県延岡市北浦町の「北浦養殖マサバ協業体」が養殖するマサバ。天然や人工孵化させた稚魚を無投薬で飼育し、400g以上のものを神経締めにして出荷。出荷前7日以上は餌を与えぬ工夫で、肉質向上に努めている。

長崎ハーブ鯖
長崎県松浦市、佐世保市の4企業から成る「長崎ハーブさば生産グループ」が共同開発した養殖サバ。餌にナツメグ、オレガノ、シナモン、ジンジャーのハーブを混ぜて飼育。

むじょかサバ
鹿児島県長島町の海で、5人の漁師が育てる養殖サバ。速い潮の流れによって身がしまっている。「むじょか」とは鹿児島弁で「かわいがる」という意味。

ときめきの鯖きらめきの鯵

ときめきの鯖きらめきの鯵

ときめきの鯖きらめきの鯵

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